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「よく生きる」ことに通じる"食"

「進研ゼミ」や直島のアートなどでおなじみの同社だが、事業領域は教育から介護までと、多岐にわたる。生きるうえで不可欠な「食べること」を再考する、食育にも近年特に力を入れており、5年前には社内シンクタンク「食育研究所」を設立した。
 事業を全国的に展開する同社だけあって、人材も全国各地からここ岡山本社に集まっている。そこで聞かれるのは、瀬戸内の魚介やとれたて野菜など「岡山の食材は美味しい」との声。その実感は、地産地消の大切さを説くという仕事にも反映される。
 ちなみに社屋の地階には社食があり、温かい食事が提供されている。それにも関わらず手作り弁当派が健闘しているのは、同社の食に対する意識の高さが表れているからだろう。

所在地/岡山市北区南方3-7-17
TEL.086-225-1100(代)
http://www.benesse.co.jp/



   高校事業部 進路・表現教材編集課 井上 泰介 さん

・地元は岡山?

縁もゆかりもない岡山に来て、これで12年目になるので、
育ちは北陸の富山なんですけど、それに迫る勢いになってきました。
第二の故郷になりました。

・岡山の食には慣れました? おいしいですか?

そうですね、はい。もともとは瀬戸内って魚とか
あんまり取れないイメージがあったんですけど、けっこう魚介もおいしい、
それこそ地中海のなんでしたっけ、エーゲ海?
そんな大げさなとは思ってたんですけど、ほんとにおいしいし、
だから魚介も、山菜もすごくおいしくて、はい、気に入ってます。

・仕事内容は?

高校生向けの教材の企画や編集ですね。
高校向けって言ったほうがいいかもしれないです。
小論文とか作文とか、高校生の表現力を伸ばす教材の企画や編集をしています。

・仕事で外へ出ることもありますか?

出張も多いので、月にどれくらいかな、月に平均で4、5回かな、
週一ぐらいで出張に行きます。まあ時期にもよりますけど。
出張の時はお弁当とか持っていけないんですけど、さすがに。
電車の中で食べるのはちょっとね(笑)。
出張とかもあるので、週二回ぐらいがお弁当です。多いときはもう毎日ですけど。

・今日の弁当は誰が作った?

奥さんです。

・週2回は毎回奥さんが?

そうですね、奥さんです。もともとは子どもが幼稚園に持っていくようになって、
一食(一人分)だけだと少ないから僕のも作るっていう感じなんですけど。
今二人とも小学生になって、僕のためだけって言ったらあれですけど、
作ってくれている感じです。小学生は給食ですからね。

・ランチは誰と?

(一緒に食べる人が)いないんですよ。自席で食べる感じですね。

・食堂には来ない?

食堂はお昼の時間になると、けっこういっぱいになるんですよ。
お弁当持ち込みだと座席を占めちゃって、ここの食堂のものを食べれる人が
減るのも申し訳ないですから、自席で。
できればほんとはみんなと食べたいんですけど、それがなかなか。

・ランチは12時~13時?

そうです。

・結構かきこんで食べちゃう?

そうですね、仕事しながら食べてる感じですね。

・好きなおかずは?

好きなおかずはですね、ちょうど今日作ってくれたんですけど、
肉巻きが好きなんです。アスパラの肉巻きが好きですね。

・ほかには?

あとこのキッシュが好きですね。キッシュとか肉巻きとか、
あとなんだろうなあ、そうですね、でもそんなもんかなあ。
ほかに思い浮かばないなあ。

・苦手なおかずは?

あ、苦手なものはほとんどないですね。なんでも食べます。

・弁当を持ってくる理由は?

理由はまあ、うちの奥さんが作ってくれるからっていうのが一番おっきいですね。
作ってくれなかったら、さすがに自分で作っては持ってこないですね。
うちの奥さんが作ってくれるのは、なんでですかね、
やっぱりコスト的なものは大きいですね、節約もかねて。
あと、晩ご飯の残りとかで簡単に作れるので、かな。
あとヘルシーさ、バランスっていうのも、うちの社食もいいメニューですけど、
バランスよく作ってくれる。それも健康にもいいので。

・じゃあメニューは毎日違うものを?

そうですね、晩御飯とは似てますけどね(笑)。

・お弁当の名称は?

豆ごはん(グリーンピースごはん)
ひよこ豆とひじきの和え物
ブロッコリー
プチトマト
レンコン
アスパラの肉巻き
キッシュ

・レンコンは煮物?

レンコンは煮てないんですよ。ただ茹でて、ちょっと焼いてるのかな、
これがけっこう好きでですね。茹でて軽く火を通してる感じですね。

・好きなおかずなんですね?

そうなんです、これ好きなんですよ。この歳になったら
レンコンの味がわかるようになってきて、いやほんとに、
もう若いころなんて信じられなかったんですけど、今レンコンすごい好きで、
ちなみにこれ岡山産ですね、レンコン。
あと岡山産はこのキッシュの中にホウレンソウが入ってるんですけど、
これが岡山産で、ちょうど昨日、隣の隣のご家庭からいただいた(ものです)。
建部にご実家があって、いつも定期的に野菜をくださって。
めちゃくちゃありがたくて。どれくらいかな、2週間に1回、
3週間に1回ぐらいのペースでできたての野菜をいつも(いただきます)。
昨日もらったのがレタスとほうれん草とブロッコリー。
今年の冬とかは白菜1回も買ってないですからね。
全部いただいて。あと新玉ももらったな、今の時期。

・それがこういうお弁当になったり?

そうそうそうそう。そうですね、すごく新鮮な野菜を。
だからそういう意味でも、その最初に言った、
岡山の野菜、食材っていうのは充実(してるということ)とかは、
身近に感じてますね。

・仕事で食育にも携わっている?

そうですね、テーマとしてはやっぱり地産地消っていうのを、子ども、
高校生に社会のことを考えさせる意味で、地産地消ってすごく大事な考えなので。
それこそ、私、高校向けに講演会とかで行ったりするんですけど、
その時に地産地消の大事さっていうのを語ったりしますね。
だからって僕の弁当のことを引き合いにはしてませんけど(笑)、
これは大事だよっていう話はよくしてます。
僕のほうも仕事だからっていうか、実体験として語れるんで、
やっぱり説得力はあります、高校生に語るときに。
近所からもらったもので自分たちが食べて、それが、なんていうんだろう、
栄養もあるし、地域のものを消費するっていうのも
大事なことだしっていうのもあるので、
すごく(お弁当を持ってくることが)いいと思います。

・仕事にも活かせる?

そうそう。全部一緒です、仕事もプライベートも。
自分のやってることっていうのは、なんかつながりを持って
語れるなっていうのはあって。ほんとそうです。
やっぱり高校生に語る時にも、上っ面だけの社会問題とか語るんじゃなくて、
じゃあ自分に引きつけてどうなのかっていうのを言うときに、
弁当は一つの例かもしれないですけど、地産地消っていうのは大事なんだよ、
なんでかっていうと身の回りの…高校ってけっこう不便なところに
あったりするじゃないですか。ネットショッピングとかで
いろんなもの取り寄せるのもいいかもしれないけど、
その地域っていうのでうまくいっている例とかを、
それこそ高知の馬路村の話とか取り出しながら語ると、
高校生ができることって言ったら、やっぱり身の回りから出発して、
高校生が地域のためにできることを考えさせるっていうか。
そういう話をしてますね。

・お弁当にまつわるエピソードは?

子どものころは自分の母親が作るお弁当なわけじゃないですか、
ほんとにがっつり系のお弁当なわけですよ、男の子なんで。
で、大人になってうちの奥さんが作ってくれる弁当になって、
どっちかっていうとあっさり系の、
それこそレンコンが素焼きで入るような弁当になって、
初めは違和感はあったんですけど、食べてるうちにすごく慣れてきて、
これがおいしいと思うようになってきたなっていう。
あと失敗談はですね、弁当の時と社食の時があって、
弁当持ってきてたことを忘れるときがあって。
社食で食べて、家帰ってカバン開けて、弁当!って(笑)。
1回あったのは、月曜の朝にカバンを開けたんですよ、金曜のやつを。
月曜の朝にカバン開けたときにうちの奥さんと一緒に、「あっ!」て(笑)。
はっ、これは!って思って。さすがに妻も怒るんじゃなくて、
えっ!て驚いて終わったので。

・夏ですか?

去年の9月ぐらいですね。結構いたんでて、においはしました(笑)。
いや、ほんとにすっかり忘れるもんだなと思って。
もう失敗しましたね、あのときは。

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